履歴書の「通勤時間」を記入するときのポイントを紹介します。
通勤時間は書類選考の判断として使われるだけでなく、入社後の通勤費の見積もりや、場合のよっては社宅の手配の要否などの判断材料となります。
とはいえ、勤務地が分からない(決まっていない)とか、採用が決まったら引っ越しを予定しているとか単純に通勤時間を書くことができない場合もあり、意外とどうやって書いたらいいのか悩むことが多いですね。
今回は、そのようなパターンも想定して通勤時間の書き方を詳しく紹介したいと思います。
履歴書の書き方は、下記の記事で詳しく解説しています。
採用担当者は通勤時間でなにを見るのか?
・交通費や社宅などの見積もり
・問題なく通勤できるか?
通勤時間では主に2つの視点で採用担当者は見ています。
通勤時間欄なんて書けない場合もあるから適当に書いておけばいいやと考えるかもしれませんが、採用担当者としては重要なチェック項目のひとつです。
交通費や社宅などの見積もり
通勤時間からどのくらいの交通費が掛かるかを見積もります。
人を採用する場合、人件費としての枠が決めれられている場合があります。
人件費というのは、あなたに支払われる給料だけでなく、保険や福利厚生などにかかる費用すべてですね。
その中には「通勤費」や「社宅費」も含まれています。
そのような費用を事前に見積もるために通勤時間を利用する場合もあります。
問題なく通勤できるか?
転職する前は、やりたい仕事に就けるなら多少通勤時間が長くても大丈夫と思うかもしれませんが、通勤って予想以上にストレスがかかるものです。
慣れない職場、慣れない仕事でストレスが溜まり、通勤でもストレスが溜まり、睡眠もなかなかとれずに病んでいく。
そういう人も多く見てきました。
そうなると、結果的に早期退職に繋がってしまいます。
これは、本人にとってもマイナスですし、会社にとってもマイナスでしかありません。
それを防ぐためにも、無理なく通勤できるかを事前に確認しておくことは重要な要素となっています。
通勤時間によって採用結果が変わる可能性もある?
通勤時間によって採用結果が変わる場合もあります。
が、不利になるのは特殊な事情がある場合のみで、多くの企業では「通勤時間が長いから」という理由だけで不利な判断をすることはありません。
では、特殊な事情とはどんなものがあるのでしょうか?
それは、緊急時にすぐに職場に駆け付ける必要がある職種です。
例えば、システム開発から保守まで一括して請け負っている会社の場合、夜中にトラブルが発生した場合に保守担当だけでは手に負えない時には開発者も対応に呼ばれる場合があります。
そういう時に、通勤時間が2時間かかりますとかでは困りますよね。
ただ、近年はリモートワークが一般的になってきていますので、緊急時は自宅で対応になってきていますので、この辺の条件はより緩くなってきています。
通勤時間の基本的な書き方
通勤時間の記入は意外とどうやって書いていいのか悩む人が多いようです。
ポイントを紹介しますので、正しく記入しましょう。
・未記入項目は作らない
・自宅から職場までのドアToドアの時間とする
・片道の時間を記入する
・最短ルートで計算する
・時間は5分単位
・移動手段を書く
未記入項目は作らない
通勤時間のテンプレートは「 時間 分」となっています。
もし通勤時間が30分の場合は下記のように時間のところには「0」を記入しましょう。
誤: 時 30分
正: 0時 30分
「0」を記入しておかたないと、採用担当者が「書き忘れ?」と疑念を持つことがあります。
「そのくらい見れば分かるだろ」と思うかもしれませんが、採用担当者は見間違いや勘違いなどのミスは許されませんので、判断に迷う記入は結構ストレスです。
まだ、同様の理由で、通勤時間が未定の場合は「-」を記入するようにします。
誤: 入社決定後、速やかに転居可能 時 分
正: 入社決定後、速やかに転居可能 -時 -分
自宅から職場までのドアToドアの時間とする
通勤時間は自宅の玄関から職場の玄関まで、いわゆる「ドアToドア」の時間を記入します。
よくある事例として、自宅の最寄り駅から会社の最寄り駅までの時間を記入する方もいますが、これは誤りです。
自宅から最寄り駅までの時間と、会社から最寄り駅までの時間も加味しましょう。
渋滞なので通常よりも時間が掛かる場合もありますが、基本は渋滞は加味しない時間を記入します。
片道の時間を記入する
通勤時間は片道の時間を記入するようにしましょう。
意外と間違えて往復のトータル時間を記入してくる方がいますが、間違えないようにしましょう。
最短ルートで計算する
通勤ルートが複数ある場合は、最短ルートを選んで記入します。
「この道の方が近いけど、渋滞が激しいので遠回りしていく」ということは日常生活では普通に行われますが、履歴書の通勤時間に記入する場合は渋滞などは考慮せずに最短ルートで計算しましょう。
一般的には通勤費も最短ルートで計算します。
理由は単純に「渋滞しているか確認する方法がない」ということです。
日常的に渋滞することで有名な道であっても、その日によって渋滞の多さは変わりますよね?
そういう不確定要素を通勤時間として加味することは難しいので、最短ルートで計算することになっています。
時間は5分単位
通勤時間は5分単位で記入します。
一般的には四捨五入しますが、切り捨てでも切り上げでもそのくらいの誤差は問題ありません。
極端な事例ですが、会社の隣に住んでいる場合は、実際の通勤時間は1分としても、履歴書には「0分」と書いても「5分」と書いてもほとんど支障はありません。
移動手段を書く
多くの履歴書には、通勤時間欄には時間を記入するようになっていますが、移動手段も併記したほうがいいでしょう。
通勤時間には渋滞などの時間は加味しないのが一般的です。
そうなると、実際には渋滞などで1時間かかるのに、履歴書には30分と記入しなければいけなくなるので、それはおかしいよねって話題になります。
これは採用担当者も理解しています。
ただ、渋滞で30分多く掛かるといっても、毎日必ず同じ間だけ余計にかかる物でしょうか?
日によっては10分だけの場合もあれば40分の場合もあります。
それを平均して加味すればいいのでは?という考え方も有りますが、まだその会社に勤めていない人がなぜそれが分かるのでしょうか?
人によっては今勤めている会社に近いからわかるよとか、その近くに住んでいるから分かるよという人もいますが、すべての人が同じ条件でしょうか?
知っている人は渋滞時間を加味出来て、知らない人は加味出来ないって不公平ですよね?
その不公平をなくすために渋滞は加味しないということになっています。
具体的な通勤時間の記入例
ここからは、具体的な記入例を紹介します。
- 基本的な通勤時間の書き方
- 複数の通勤手段がある場合の書き方
- 通勤時間が5分未満の場合の書き方
- 勤務先が決まっていないが、現住所から通勤する場合の書き方
- 採用が決まったら転居する場合の書き方
- 採用が決まらなくても転居する場合の書き方
基本的な通勤時間の書き方
通勤手段が1つのみの場合は下記のように「通勤手段+通勤時間」で記入します。
一般的な履歴書には時間しか記入する箇所がありませんが、時間の前に通勤手段を追記します。
自動車 約 0時 45分 |
電車 約 0時 45分 |
自転車 約 0時 45分 |
バス 約 0時 45分 |
徒歩 約 0時 45分 |
複数の通勤手段がある場合の書き方
複数の通勤方法を組み合わせる場合は下記のように記入します。
基本的に利用する手段の順番で記入しましょう。
バス、電車 約 0時 45分 |
自転車、電車、バス 約 0時 45分 |
通勤時間が5分未満の場合の書き方
通勤時間が5分未満の場合は、0分か5分どちらかで記入します。
徒歩 約 0時 5分 |
自転車 約 0時 0分 |
勤務先が決まっていないが、現住所から通勤する場合の書き方
応募時にどの事業所に配属されるのか分からない場合でも、どの事業所でも現在の住所から通勤できる場合があります。
その場合は、通勤時間は「-時間 -分」とし、カッコ書きで一番遠い事業所の通勤時間を記入します。
書き忘れと思われないように、時間にはハイフン「-」を必ず記入しましょう。
配属事業所に関わらず現住所から通勤予定(概ね45分圏内) 約 -時 -分 |
採用が決まったら転居する場合の書き方
応募する企業が遠方であったり、UターンやIターン転職の場合は、入社が内定した段階で引っ越しをするとか、配属される事業所が未定でさらに事業所がそれぞれ離れている場合など、現時点で通勤時間を調べることができない場合があります。
採用が決まってから転居先を探す場合は、「入社決定後、速やかに転居可能」「入社決定後に通勤可能圏内に転居予定」「入社決定後に通勤〇〇分圏内に転居予定」と記入し、時間はハイフン(-)を記入しておきます。
履歴書に時間のテンプレートが記入されていない場合は、時間は記入不要です。
入社決定後、速やかに転居可能 約 -時 -分 |
入社決定後に通勤45分圏内に転居予定 |
採用が決まらなくても転居する場合の書き方
事情により採用の合否に関わらず転居が決まっている場合は、転居予定日と転居先からの通勤時間を記入します。
5月25日転居予定の新住所より 約 0時 30分 |
行ったことがない場所で通勤時間を調べる方法
土地勘のない場所に応募先企業がある場合、最短ルートを調べるのが難しいことがあります。
その場合はインターネットやスマホなどの地図アプリなどを活用して通勤時間を調べましょう。
調べるときのポイントは通勤する時間を想定しておくことです。
最近の地図アプリでは、移動時間を簡単に調べられますが、その時に出発時間や到着時間を指定できます。
例えば、GoogleMapでは下記のように時間指定できます。

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