履歴書の中でも、もっとも書くのが難しいのが志望動機ですね。
履歴書の「志望動機」であなた自身をアピールできていますか?
志望動機の書き方ひとつで、書類選考をクリアできるかどうかが決まるといっても間違いではないでしょう。
必死で考えた志望動機なのに、採用担当者にはまったく響かないのは原因があります。
その原因は「採用担当者が志望動機から何を知りたいのか」を理解していないからですね。
今回は、採用側の思惑と、どんなポイントに気を付けて書けばいいのかを分かりやすく紹介します。
書類審査で落とされないためにもしっかりとポイントを押さえておきましょう。
志望動機を書く目的は企業とのマッチングを確認するもの

・募集している人材とあなたの人物像がマッチしているか?
・転職に対する熱意や情熱
採用する企業では、志望動機を読んで何を判断するのでしょうか?
それは「企業側が欲しいと思っている人材像とあなたとのマッチングを確認する」ということです。
人材像のアンマッチはお互いにデメリットでしかない
人を採用するということは、応募側ももちろんですが、採用する側も思いを持って挑んでいます。
未経験者であるあなたを企業が採用する理由は、1日でも早く業務に必要なスキルを身に着け、1日でも長く働いて事業に貢献してもらいたいからです。
そのうえで、仕事にやりがいを感じてもらい、あなたやあなたの家族の生活を豊かになって欲しいと思っています。
給料払うんだから365日24時間死ぬまで働けなんて思っている経営者はほぼいません。
多くの経営者さんは「社員の幸せ=会社の利益」と考えています。
しかし、あなたがやりたいと思っていることと、企業が求めている人材に大きな乖離があるとどうなってしまうでしょうか?
例えば、あなたはプログラミングをやりたいのに、来る日も来る日もデバッグ作業ばかり(デバッグも重要な業務です)。
その先に待っているのは「モチベーションダウン」からの退職です。
採用はもちろん、あなたを一人前のエンジニアに育て上げるにも膨大なコストが掛かりますので、早期退社は事業戦略的にも、コスト的にもデメリットしかありません。
そして、あなた自身もデメリットしかないので、採用のミスマッチはお互いにとってデメリットしかありません。
それを防ぐためには、募集する人材像とあなたとのマッチングを常に確認する必要があります。
特に、未経験者の採用ではマッチングについては非常に重要になってきます。
求人内容にマッチした志望動機を書く
志望同意で一番大切なのは、企業が募集している人材像とあなたがマッチしているということをアピールすることです。
この段階でミスマッチしていれば当然NGですが、どんなに熱意を感じられても「それ弊社じゃなくてもいいですよね?」と思われたら最後です。
志望動機は
募集内容にマッチした内容を書くことで、採用担当者の心をグッと鷲づかみすることができます。
これについては、後ほど詳しく解説します。
志望動機では「なぜそれなのか」を書く

具体的に志望動機ではどんなことを書けばいいのかを紹介します。
ポイントは「採用担当者が何を知りたいのか?」です。
知りたいこと1.なぜ弊社を選んだのか?
採用担当者が一番最初に知りたいことは「たくさんある企業の中からなぜ弊社を選んだのか?」ということです。
応募する企業の強みを挙げて、自分がやりたいことや将来のロードマップと合致していることを書きましょう。
世の中には似たような業種の企業はたくさんあります。
その中から、その企業のどんな製品やサービスに興味を持ったのか?そして興味を持ったポイントと自分がやりたいことと繋がっているかを分かりやすく端的に記述します。
多くの人が「なぜその仕事をしたいのか」という視点で志望動機を書いてしまいますが「それ弊社じゃなくてもできますよね?」となってしまいます。
例えば、あなたが異性から告白されたときに「異性ならだれでもいいので付き合ってください」って言われて「うれしい!!」って思いますか?
思いませんよね?
中途採用も同じです。
あなたの本心としては「どこでもいいから採用してほしい」かもしれませんが、企業側から見れば「そんな人は要りません」となります。
正確には会社のことを本当に「惚れ込んでいる」人なんていないことは分かっています。
重要なのは「応募する企業をしっかりと研究して、企業の強みや弱みを理解しているか?」ということです。
少なくとも「応募する企業のことは何も知らない」ではお話にならないということですね。
知りたいこと2.なぜその仕事を選んだのか?
2つ目は「なぜその仕事を選んだのか?」です。
特に未経験者であれば、これをキチンを説明する必要があります。
基本は、自分がやりたいことと企業の求人内容がマッチしていることです。
例えばSEを募集しているのにプログラムを書きたいってアピールしても「プログラマーは足りてるから」と書類審査の段階で落とされてしまいます。
その基本を踏まえた上で、自分の経験を盛り込んでその仕事の魅力や展望を書きましょう。
知りたいこと3.その企業にどんな貢献をできるのか?
3つ目は、「その企業にどんな貢献をできるのか?」です。
ITエンジニア未経験での中途採用の場合、その仕事に対するスキルや知識がないのは当然です。
そのうえで、あなたが前職で培ってきたスキルや知識を新しい会社ではどのように利益に結び付くかを端的に記入します。
例えば、あなたが前職でテーマリーダーやプロジェクトリーダーを経験していたとしたら、業種が変わってもその経験を生かすことができます。
リーダーの経験がなくても、仕事をやりやすくするために業務改善をしてきたとか、部署を超えたコミュニケーションをしてきたとか、業種に関係なく必要なスキルはたくさんあります。
その経験を新しい会社でどのように活かしていくのかを、経験談を交えて記入することでアピールへと繋がります。
志望動機を書く時の5つのポイント
志望時は履歴書に書くだけでなく、面接時にも聞かれます。
面接時にもスムーズに説明できるように4つのポイントを紹介します。
ポイント1|会社の魅力と自分が転職する理由を結びつける
志望動機の多くは「御社の経営理念である〇〇に共感した」とか「御社の社風に魅力を感じた」というようなことを書いてくる人が多いですが、ほぼNGです。
なぜなら「それってHPに書かれている内容をそのまま書いただけですよね?」となるからです。
つまり「あなたの気持ちや意思が伝わらない」からですね。
募集する企業から見ると、たくさんの履歴書から面接に進む人材を選ぶわけですが、だれもが書く内容を書いても採用担当者の目に止まることはありません。
ここで大切なのは、会社の魅力とあなたが転職しようとしている理由を結びつけることです。
転職しようとしている理由は人それぞれですよね?
つまり、転職理由はあなたの「個性」です。
経営理念という「無個性」と転職理由という「個性」が交わって初めて「あなたらしさ」が生まれます。
もちろん志望動機は経営理念をってことではありませんよ。
経営理念以外にも会社の特徴や社風、商品の魅力などいろいろありますが、それとあなたの転職したい理由を結びつけることが大切です。
ポイント2|志望動機はあなたオリジナルの物を書く
例えば応募者が100名いれば志望動機も100通りあるはずです。
あなたがなぜ転職しようと思ったのか、そして転職することでどんな未来を想像しているのかを考えてみましょう。
特に未経験の業種に転職しようとしているということは、それなりの意思を持っているはずですよね。
その意思や転職しようとしている理由と、募集している会社の理念であったり特徴がマッチしたことが「志望動機」なんです。
もう一度、転職したい理由はその業界を選んだ理由を思い返して、あなたオリジナルの志望動機を造り上げましょう。
ポイント3|自分が活躍するイメージを沸かせる
会社の採用は「慈善事業」ではありませんので「あなたの夢をかなえさせるために採用します」ということはありません。
あなたを採用することで、会社にとってメリットになると思うから採用するわけですね。
つまり、企業側から見て「あなたがわが社で活躍する姿」が想像できるような志望動機がベストです。
企業の求人サイトには、先輩社員の声が掲載されていることが多いですよね?
例えばそこに「コミュニケーションが活発で」というようなことが書かれていれば、その会社はコミュニケージョンを重視していることになります。
そこであなたがコミュニケーションが得意で、前職で複数の職場にまたがるようなプロジェクトを担当していたなら、「私はコミュニケーションが得意で、複数の職場を跨ぐプロジェクトのリーダーをしています。御社では職場内外のコミュニケーションを重視していますのでより風通しのよいチーム活動を通して、御社の業績に貢献できる」というように、あなたの強みや経験を生かせることをアピールしましょう。
ポイント4|なぜその会社なのかを書く
志望動機は「なぜその会社を選んだのか」を中心に書くのが基本です。
書類審査で落とされてしまう方の志望動機欄を読むと、多くの場合で「なぜその仕事を選んだのか」が中心に書かれていますが、それはNGです。
例えば異性に告白するときに「私は小学生のころから異性の方と付き合うのが夢でした。だから付き合ってください」って言われても「異性ならだれでもいいんかい!!」ってなりますよね?
転職の履歴書も同じで、「私はこんな理由でプログラマーになりたい」って力説しても「それは弊社でなくても、もっと言えばわざわざ転職しなくてもプログラムはできますよね?」となってしまいます。
それが面接であれば「御社じゃなければだめなんです」とフォローすることもできますが、履歴書であればその時点でNGですね。
書類選考で落とされる人の多くはここが理由なんです。
なぜその会社を選んだのかは「好きだから」という感情論ではなく、その会社の製品やサービスで気に入った点、その会社が大切にしている理念など、具体的な事例とマッチさせましょう。
企業のHPや会社案内のパンフなどを見ると、必ずその会社の「売り」にしているポイントが記載されています。
それをしっかりと志望動機に落とし込みます。
ただし、HPやパンフに書かれているワードをそのまま使うのはあまりお勧めしません。
なぜなら、多くの人がそのワードを使っているからです。
ワードをそのまま使うのではなく、そのワードの裏側に隠されている「会社の拘り」を見つけ出します。
そうすることで、他の人とは違う「オリジナルの志望動機」を作ることができます。
例えば、その会社の製品であるツールの売りが「操作性」だったとします。
操作性がいいって、開発者が自分の判断で「操作性がいい」と決めているわけではありません。
最終的にエンドユーザーに使ってもらって、その意見を踏まえながらUIを作り込んでいきます。
つまり、操作性がいいということは「ユーザーの生の声をしっかりと聞いている」ということになります。
その「ユーザーの声をしっかりと聞いている」という点を志望動機として書き上げるというイメージですね。
「ユーザーの声をしっかりと聞いている」というのはあくまで想像ですので、間違っているかもしれません。
しかし、たとえ間違っていたとしても、「そこまで弊社のことを深く考えてくれているんだ」とプラスイメージにはつながるでしょう。
ポイント5|マイナス要素は書かない
志望動機を書く内容として一番NGなのは「マイナスなこと」です。
例えば、今の会社の不満や人間関係の不満、待遇の不満などですね。
もちろん、転職する理由としてはそれも有りですが、それをそのまま転職理由として書いてはだめですね。
今度も恋愛で例えますが「今付き合っている人は本当に乱暴で、言葉使いも荒くて嫌なんです。でもあなたならうまくやっていけると思うんです。だから付き合ってください」って言われてもまったく心に響きませんよね?
転職しようとしている理由が今の会社の不満でもいいんです。
でも、それは転職を決意したキッカケですよね?
それは次の会社を選んだ理由とは違うはずです。
転職を決めたきっかけがたとえマイナスだったとしても、次の仕事を選ぶ時は希望を持ったプラスな感情で選んでいるはずです。
志望動機ではそのプラスな感情を文字にするのが基本です。