未経験のあなたがITエンジニア業界に転職しようとする場合、特に履歴書が重要になります。
ただ漠然と履歴書を書いてしまうと、履歴書を最後まで読んでもらえず、面接まで進むことができません。
採用担当者が一人の履歴書をチェックする時間は数分です
たった数分で次のステップである面接に進めるかどうかが決まってしまいます。
オリジナリティーを出しにくい履歴書で、採用担当者に「この人に会ってみたい」と思わせるような履歴書を作るためには、採用担当者がどういうポイントで履歴書を読んでいるのかを知ることが一番の近道です。
そこで、今回は採用担当者だった私の経験を元に「この人に会ってみたい」と思わせるような履歴書の書き方を紹介します。
しっかりとポイントを押さえていただき、ぜひ採用を勝ち取ってください
履歴書は自分を売り込むためのカタログ

当然ですが、中途採用に応募したからと言って、だれでも面接を受けられるわけではありません。
最初に採用担当者は履歴書を読んで、あなたに会って話をするかどうかを決めます。
つまり、履歴書は応募先の企業に自分を売り込むためのカタログです。
例えば、あなたがテレビを買うときに、家電量販店に行って「最初に目に入ったテレビを買う」なんてことしませんよね?
テレビを選ぶ基準は人それぞれですが、気になるメーカーや製品のカタログを集めて比較しますよね?
同じメーカーでも機能や性能に応じて様々な製品があります。
その中から予算に応じて自分に合う製品を選んでいきます。
そのうえで口コミサイトの評判を見たりして最終的にどのテレビを買うかを決めると思います。
場合によっては現物を一切見ることなくカタログの情報だけで何十万もするテレビを選ぶこともあります。
カタログというのはそれだけ重要なものなんです。
履歴書もカタログと同じです。
口コミサイトを見れば、あなたの「人となり」や「評判」を知ることができれば採用担当者も楽ですが、そんな口コミサイトなんてありません。
その為、まずはカタログ(履歴書)を読んで、あなたに合って話を聞くかどうかを決めるということですね。
つまり、カタログである履歴書の良し悪しであなたの転職活動の結果が大きく変わってしまうということです。
履歴書を書く時のポイント

履歴書は手書きは必須ではない
「履歴書や職務経歴は手書きで」と紹介している方もいますが、どちらでもいいです。
特にIT業界では「手書きで~」なんてこだわっている企業はほとんどありませんね。
逆に字が汚くて読めないよりは、パソコンで作ってもらった方が採用担当者としてはうれしいですね。
もちろん、字に自信があれば手書きでも大丈夫です。
ほとんどが印刷された履歴書の中で、手書きの履歴書があるとインパクトはありますよ。
でも、そのインパクトだけで「会ってみよう」とは残念ながらなりません。
強いて言うなら、面接まで進んだ時に「この方は手書きの履歴書の方だ」という印象を持ってもらうことはできます。
手書きの場合は丁寧に
手書きで履歴書を書く時は、とにかく「丁寧」に「読める字」で書くことが重要です。
読める字というのが意外と大切です。
達筆すぎて逆に読めないということもあります。
そして、字が下手でも丁寧に読める字で書いてあればOKです。
自分が書いた字が読めるかどうかは、友達や恋人、家族など第三者に読んでもらうといいでしょう。
読んでもらうときは、履歴書をコピーして赤ペンで気になる箇所をチェックしてもらいます。
これで、自分では読めるけど、他人には読めないということはある程度防ぐことができるようになります。
分かりやすく書く
履歴書は誰が読んでも分かるように「分かりやすく書く」ということが大切です。
未経験でITエンジニア業界に転職するということは、以前は違う業界で仕事をしていたということになりますよね?
職歴や志望動機にその業界でしか通用しないような専門用語を羅列しても、採用担当者は全く理解できません。
採用担当者は「分からないなら調べる」ということはしません。
実はその業界ではすごい偉業を成し遂げてきたとしても、それが理解してもらえなければ全く意味がありません。
専門用語は使わずに分かりやすい言葉に置き換えることも必要になります。
実際の履歴書を元に書くポイントを紹介
履歴書はあなたのカタログです。
カタログを手に取ってみたら、知りたいことが全然書いていなかったらその商品を買うことをあきらめることもありますよね?
履歴書も同じです。採用担当者があなたの履歴書を読んで「ぜひ会ってみたい」と思ってもらうことが大切です。
そのためには、書き方のルールやマナーを守ることは大前提で、履歴書であなたをアピールして最後まで目を通してみたいと思ってもらう履歴書を書く必要があります。
ことでは、「会ってみたい」と思わせるような履歴書の書き方を具体的に紹介したいと思います。

①基本情報
基本情報では住所、氏名などのあなたの個人情報を記入します。
書く内容は決まっていますので、あまり意識せずに記入することが多いですが、ポイントがいくつかありますので必ずチェックするようにしましょう。
- 日付
履歴書を提出する日付を記入
和暦・西暦どちらでもよいが、履歴書内では統一する - 氏名
戸籍に登録されている通りに記入 - 生年月日
西暦・和暦どちらでもよいが、履歴書内では統一する - 住所
履歴書に登録されている通りに記入
フリガナは市町村までのフリガナを記入 - 電話番号
記入欄が1つの場合は、自宅か携帯か普段連絡が付きやすい方の番号を記入 - メールアドレス
キャリアメールよりはGmailなどのアドレスが望ましい
キャリアメールではセキュリティーブロックで相手からのメールが届かない可能性がある - 印鑑
認印を捺印する
シャチハタでも良い
印鑑欄がない場合は捺印不要 - 写真
3か月以内の写真を貼る
自宅で撮影・印刷したものでも良いが、写真屋さんで撮影がおすすめ
背景はブルー・グレー・白にする
写真の裏には必ず記名する
基本情報の詳しい記入方法は下記の記事で紹介しています。
②学歴・職歴
学歴・職歴はどうやって書いたらいいのか、意外と迷う方もいます。
間違えて記入してしまった場合、「間違えました」では済まされず「経歴詐称」とみなされて最悪内定取り消しや、頑張って入社できたとしても最悪「懲戒解雇」となる可能性もあります。
学歴・職歴では、あなたがどのような仕事をしてきたのかを確認します。
ここでは、あなたがどのような立場としてかかわってきたのかも確認したいポイントです。
- 学歴は高校入学から記入
- 職歴が多く記入する欄が少ない場合は職歴を優先し、学歴は最終学歴のみでも良い
- 校名、会社名、職場名は省略せずに正確な名称を記入
- 日付は西暦・和暦どちらでもよいが、履歴書で統一する
- 職場名と職務内容は簡潔に具体的に記入
学歴・職歴のより詳しい書き方は下記の記事を参考にしてください。
③免許・資格
資格はある物すべてを記入するのではなく、応募先企業にアピールできるものを選んで記入しましょう。
「私はこんなに資格や免許を持っているんです」という自慢をする場ではありません。
ここでは応募先の求人内容に対してアピールできる資格を書くことが大切になります。
「資格なんて持っていても意味ない」という方もいますが、「ITエンジニアになりたいけどまだ勉強はしていません」という人よりも「ITエンジニアになりたいので自分なりに勉強して〇〇の資格を取りました」という方の方が圧倒的に有利ですよね?
ただ、珍しい資格や話題性のある資格は面接での話題に繋がりますので、記載するのもアピールのひとつです。
- 運転免許は最初に記入
- 他は取得順に記入
- 正式名称で記入
- 記入するものがない場合は「特になし」と記入
免許・資格欄のより詳しい書き方は、下記の記事を参考にしてください。
④志望動機
履歴書の中でもっとも重要なのが「志望動機」です。
志望動機を書く時に「私は〇〇なのでITエンジニアになりたいと思いました」というように、その職業を選んだ理由を書く方が多いです。
ですが、ポイントはそこではありません。
ポイントは「なぜあなたがその会社を選んだのか?」です。
- 志望動機を書く目的を理解する
- その仕事をしたい理由よりも、なぜその会社を選んだのか?その会社で何をしたいのかをメインに
志望動機のより詳しい書き方は、下記の記事を参考にしてください。
⑤趣味・特技
趣味が多いと業務に支障が出るので、趣味特技の欄は「特になし」にしなさい・・・と指導している方もいるようですが、そんなことはありません。
365日24時間働けというようなブラックな企業は別ですが、今は私生活を充実させることで仕事の効率も上がるというのが一般的な考え方です。
また、同じ趣味を長く続けている人であれば「この人はあきらめずにコツコツを取り組むことができる」というように大きなアピールにもつながります。
また、面接のときに話題にもなりますし、面接官と同じ趣味で話が盛り上がったり、実は共通の知り合いがいたとか面白い展開に繋がることもあります。
- 箇条書きで簡潔に記入
- 具体的な内容が記載されているとイメージしやすい
- 政治、宗教、ギャンブルなどの趣味は記載しない方がよい
趣味・特技のより詳しい書き方は、下記の記事で解説しています。
⑥本人の希望欄
本人の希望欄は、給与や職種、勤務地、勤務時間などの勤務的な希望を記入します。
ここで書かれた内容は「希望」ではなく「入社条件」としてとらえますので、募集条件に合わない場合は書類審査で落とされる可能性があります。
家の都合で勤務地の希望があるなど、特別な事情がある場合を除いて待遇面は面接にて交渉するのが基本です。
ただし、募集条件に複数の職種がある場合は希望する職種を書くようにしましょう。
- 希望がなければ「貴社の規定に従う」と記入
- 待遇的な希望は記入しない
- 現在の仕事の都合上、連絡が取れる時間が限られている場合は、その旨を記入
本人希望記入欄のより詳細な説明は下記の記事を参考にしてください。
⑦その他情報
通勤時間や扶養家族の有無などを記入します。
この辺は個人情報ですので、記入の必要があるのか疑問に思うかもしれませんね。
ここでの情報は、例えば通勤時間が長い場合は社宅などの斡旋をしたり、税金や社会保障など事務手続きに関わる条件を確認するために必要になります。
通勤時間によって不利有利があるわけではありませんので、正確な情報を書くようにしましょう。
- 通勤時間はドアToドアで最短ルートでの時間を記入
- 通勤時間はGoogleMapなどのツールを使って算出してもよい
送付前にもう一度チェックしましょう
履歴書を送る前に必ず記載内容のチェックをしましょう。
できれば第三者にチェックしてもらうと、自分では気が付かないミスを発見することができます。
チェックする内容は下記の通り。
- 記入漏れが無いか?
- 誤字・脱字が無いか?
- ら抜け表現などが無いか?
- 特殊な用語を使っていないか?
- 日付などに間違いがないか?
- 学校名・会社名などが間違っていないか?
- 不自然な改行がないか?
記入漏れが無いか?
扶養家族欄など、重要度が低い項目は後回しにしてしまい、記入するのを忘れてしまったということもあります。
パソコンで履歴書を作成した場合は2部印刷し、1部は提出用、もう1部はチェック用として、記載内容に赤ペンでチェックするといいでしょう。
誤字・脱字が無いか?
記入内容に誤字や脱字が無いかチェックします。
1文ごとに赤ペンでチェックしてみましょう。
ら抜け表現などが無いか?日付などに間違いがないか?
ら抜け表現というのは「食べられる」というところを「食べれる」というように「ら」を抜いた表現です。
このような表現がされていないか慎重にチェックしましょう。
特殊な用語をつかっていないか?
その業界でないと通用しないような特殊な用語は、分かりやすい表現にするようにします。
学校名・会社名などが間違っていないか?
学校や会社のホームページなどを見て、もう一度間違っていないか確認しましょう。
よくある間違いは「株式会社〇〇」のことろを「〇〇株式会社」と書いてしまったり、いつもの癖で「〇〇(株)」と書いてしまったり(パソコンの予測変換でそうなってしまうことが多い)なっていないか確認しましょう。
不自然な改行がないか?
パソコンを使って履歴書を作るとき、画面上では1行に収まっている文章が、印刷をしたら最後の1文字だけ改行されていたということがあります。
そのような不自然な改行が無いように、必ず印刷してチェックするようにしましょう。
履歴書を提出するときに気を付けるポイント
履歴書を応募先の企業に提出する方法にはいくつかのパターンがあります。
それぞれのパターンで気を付ける点を紹介します。
郵送する場合
- 封筒は用紙を折らずに入れられるサイズにする
- 書類はすべてクリアファイルに入れる
- 「添え状」を同封する
- 料金不足にならないようにする
郵送する場合は基本的にはA4サイズが入る封筒に入れて送りましょう。
小さい封筒に折り曲げて入れても支障はありませんが、折り曲げてしまうと受け取り側で管理が面倒になります。
ちょっとしたことですが、心配りがあるといいですね。
また、郵送中に折れ曲がることを防ぐためにも、クリアファイルに書類を入れるようにします。
郵送する際は必ず「添え状」を同封するようにします。
添え状の内容はビジネステンプレート通りで問題ありません。
下記のサンプルを参照してください。
履歴書とともにポートフォリオとしてメディアを同封することもあります。
その場合は、料金不足にならないように気をつけましょう。
不安な場合は、ポストに入れるのではなく郵便局で確認して預けるようにします。
手渡しする場合
- 書類はすべてクリアファイルに入れる
- 封筒には「履歴書在中」と記入し、裏面に住所と氏名を記入
- 渡すときは、封筒から出して渡す
不用意に書類が折れてしまわないように、クリアファイルに入れてから封筒に入れるようにしましょう。
封筒の表面には「履歴書在中」と記入しておきます。
裏側にはあなたの住所と氏名を記入しておきます。
面接官等に手渡すときは、封筒から取り出してクリアファイルと封筒を重ねて差し出すようにしましょう。
メールで送付する場合
- 件名には「履歴書の送付(氏名)」と入力する
- 添付するデータはPDFにして送付する
- 添付したデータの一覧を記載しておく
- 圧縮ファイルを送るときはZIPにする
- CCに自分のメアドを入れる
メールで履歴書を送付するときは、その旨が一目で分かるようなメールの件名にしましょう。
たとえば「履歴書の送付(氏名)」という感じです。
添付するデータはPDFにして送付します。
複数のファイルを圧縮する場合はZIP形式で