転職エージェントは、あなたの転職活動を全力でバックアップしてくれる無料のサービスです。
求人情報誌やハローワークに替わるサービスとして注目を集めていますので、すでに利用している方もいると思いますが、1社に絞って登録したほうがいいのか?それとも、複数のエージェントを利用したほうがいいのか悩んでいる方もいるのではないでしょうか?
結論から言ってしまうと、1~3社に登録したほうが成功する率が高くなります。
ただし、複数の掛け持ちにはデメリットもありますので、今回は転職エージェントを複数掛け持ちする場合のメリットやデメリット、注意点などを詳しく紹介したいと思います。
すでに転職エージェントへの登録を検討されている方は、下記の記事でエージェントの選び方を紹介しています。
転職エージェントの役割は転職のバックアップ
転職エージェントの役割は、あなたの転職活動をバックアップすることです。
従来の転職活動と言えば、下記のようなことをすべて自分自身で行う必要がありました。
- 求人企業を見つける
- 企業情報を調べる
- 履歴書・職務経歴書を書く
- 先輩社員に話を聞くためのアポイントを取る
- 面接の問答を考える
- 服装を考える
- 求人企業との調整をする
多くの方は、この作業を今の仕事をしながら行っていましたので、本当に大変ですよね。
特に履歴書の書き方とか、面接の問答とかは「このように答えれば完璧」という模範解答はありませんので、何が正しいのか分からないまま面接に臨むことになります。
もし不採用となっても、何がダメだったのかも分からないまま、次の企業に挑戦することになりますので、同じ失敗を繰り返すことになり、転職をあきらめてしまった方も少なくないでしょう。
しかし、転職エージェントは、上記のことを転職の専門家であるアドバイザーさんが一緒に考えてくれます。
転職先もあなたに合ったところを紹介してくれますし、企業情報も詳しく教えてくれます。
履歴書や職務経歴書の書き方はもちろん、面接の問答もアドバイスしてもらえるし、面接の練習もしてくれますので、すぐに何が良くて何がダメだったのかを知ることができます。
そんな転職エージェントですが、全国には役24000企業も存在します(厚生労働省「平成30年度職業紹介事業報告書の集計結果」)。
すべてが同じような仕事を紹介しているのでなく、得意分野やどのような求職者を対象としているのかなど、それぞれ違った特徴を持っています。
例えば、IT業界専門やSE専門など、特定の業界に特化したエージェントもありますし、経験豊かなベテランを中心に扱うところや、その業界の未経験者に力を入れているところもあります。
転職を成功させるためには、1社だけの利用だと選択肢が狭まってしまいますので、複数の転職エージェントを利用することで一定の効果が期待できます。
転職エージェントは複数併用してもいいのか?
基本的に、複数の転職エージェントを利用することは問題ではありませんし、その旨を転職エージェントに伝えても大丈夫です。
転職エージェントは、あなたの転職が成功しないと利益を得ることができませんので、ライバルがいるとなるとさらに力を入れてサポートしてくれるでしょう。
もちろん、あなたはそれに答えて、全力で取り組むことは必要です。
複数併用するときのメリット
複数の転職エージェントを併用するメリットは3つあります。
メリット1:求人の選択肢が増える
転職エージェントでは、一般的に公開されている求人のほかに、一般には公開していない「非公開求人」も扱っています。
新しい領域に進出するために求人を出すと、ライバル企業に知られてしまう可能性がありますので、ライバル企業に知られないように採用活動をするときに非公開求人が利用されます。
転職エージェントによっては、そのような非公開求人が求人の半数以上を占めることも少なくありません。
複数の転職エージェントに登録することで、各社が持っている非公開求人を紹介してもらえるチャンスが増えますので、結果として求人先の選択肢を増やすことができるようになります。
メリット2:相性の良いアドバイザーに出会えるチャンスがある
複数の転職エージェントを活用することで、相性の合うアドバイザーに出会えるチャンスが多くなります。
転職エージェントのサービスを受ける時は、基本的に最初から最後まで同じアドバイザーが担当します。
実績のあるエージェントであれば、どのアドバイザーが担当しても同じ品質のサポートを受けることができますが、人間性まで同じというわけにはいきませんから、どうしても相性が合う・合わないという問題も出てきます。
例えば、あなたの希望が思うように伝わらなかったり、なにか方向性が合わない場合などもあります。
そんな時は、アドバイザーを変えてもらうこともできますが、そうはいっても「アドバイザーを変えてください」と言いずらいのも事実でしょう。
また、アドバイザーと相性が合う・合わないというのは、いろいろ経験してみないと分からないこともあります。
複数登録して、さまざまなアドバイザーと接することで、そのアドバイザーが自分に合っているかどうかを比較して判断することができるようになります。
メリット3:使い分けができる
「私はこのジャンルの仕事にチャレンジしたいんだ」という強い信念がある場合もあれば、そうでない場合もあると思います。
もちろん、転職する動機としてはどちらでも問題ありませんが、後者の場合は新しい仕事のジャンルを絞りこまずに、条件が合えば別のジャンルにも挑戦してみたい場合もあると思います。
そんな時は、カラーの異なる複数の転職エージェントに登録することで、本命のジャンル以外にも、新しいジャンルに触れる機会が増えてきます。
また、各社が持っている転職ノウハウに触れることができますので、知識の偏りがなくなるというメリットもあります。
複数併用するときのデメリット
転職エージェントを複数併用することは、メリットだけでなくデメリットもあります。
情報が多くなりすぎる
複数の転職エージェントに登録することで、その分多くのノウハウを手に入れることができます。それはメリットであると同時にデメリットにもなります。
具体的には、まったく異なるアドバイスをされたときに、どちらが正しいのか判断できなくなってしまいます。
転職には「正解」はありませんので、たとえ異なるアドバイスをされたとしても、どちらが正解でどちらが間違いということはありません。つまり、どちらも正解なんです。
そうなると、自分自身でどうすかを判断するしかありませんが、どちらも正論ですから自分ではどちらの意見を取り入れればいいのか分からなくなってしまうこともあります。
スケジュール管理が大変になる
転職エージェントを活用することで、応募先との交渉はエージェントにお任せることはできます。しかし、転職エージェントのアドバイザーとの面談の回数も多くなりますし、応募先企業との面接スケージュールが重なることも珍しくありません。
自分自身でしっかりとスケジュール管理をしておかないと、面接の機会を失ったり、直前でキャンセルして相手の担当者に悪い印象を与える可能性もありますので、スケジュール管理は確実に行う必要があります。
同じ案件に応募する可能性がある
これ、けっこう笑えない失敗ですが、異なる転職エージェントで同じ企業に応募してしまうということも珍しくありません。そうなると、応募先の企業の心象も悪くなりますし、転職エージェントからの信用も失ってしまいます。
ただ、これはデメリットだけではなくメリットにもつながる可能性もあります。
上手に活用するためのポイント
併用するときの注意デメリットもありますが、ポイントを押さえておくことでメリットを最大限に生かすことができます。
ここでは、複数の転職エージェントを併用する場合のポイントを紹介します。
最終的に1社から2社に絞り込む
転職エージェントを複数活用するときのメリットとデメリットでも触れていますが、最終的には1社から2社に絞り込んだほうがいいでしょう。
そうすることで、複数活用するときのデメリットである、スケジュール管理の大変さを抑えたり、情報の取捨選択がしやすくなるなどデメリットを最小限に抑え、メリットを最大限に生かせるようになります。
活用を止めるエージェントに対しては、一方的に連絡を絶つようなことはせず、ルールに従ってきちんと辞退するとともに、担当してくれたアドバイザーさんにはきちんとお礼を伝えることを忘れないようにしましょう。
今回は活用しなかったとしても、もしかしたら次は活用するかもしれません。その時に社会人らしからぬ対応を取っていると、相手から信用されなくなってしまいます。
担当者との相性を重視する
転職エージェントを絞り込むときは、担当のアドバイザーさんとの相性も重視することをお勧めします。
複数のアドバイザーさんと接していると、相性が合う・合わないということが分かってくると思います。もちろん、相性だけで判断するわけではありませんが、アドバイザーさんとの相性は無用なストレスを避けるためにも重要な要素です。
総合型と特化型エージェントを併用する
転職エージェントには、幅広い業種を扱っている「総合型」と、SEやIT関連など特定の業種に特化した「特化型」があります。
総合型と特化型にはそれぞれメリットとデメリットがあります。双方を活用することでデメリットを相殺できることもありますし、思いもよらない業種に出会えるチャンスが広がりますので、転職したいジャンルが完全に決まっているという場合でなければ、総合型と特化型のエージェントを併用することで、予想もしなかった新しい仕事に出会えるかもしれません。